お呼ばれのマナー、皆さんはご存知ですか?

お持たせは「形」ではなく、
その人の「センス」が問われる「思い」「真心」です

 お中元やお歳暮、誕生日プレゼントなどなど、人に品物を贈ったり贈られたりする機会って、よくありますよね。それから、人づき合いが多いほど“お呼ばれ”を受けることも増えて、そのたびに、その会にふさわしいご祝儀やお持たせを考えるものです。私は、この瞬間がとっても好き。なぜかというと、「あの人、何を差し上げると喜ぶかな。あれかな? これかな?」と、相手のかたのことを思いながら選ぶから。ワクワクします。
 喜びや感謝の気持ちを「形」に表して、日頃お世話になっているかたにお渡しする。こういう習慣を心がけていると、自分自身が次第に豊かになっていくのがわかります。
 ただ、最近、ファッション誌や女性週刊誌で、「お呼ばれのときはこういうことをするのがエチケット」と、著名なかたがアドバイスを送っている記事をよく目にしますが、その割にはエチケットをわかっていない人に遭遇することが多々ある私は、ちょっと疑問に思っていたりもして……。
 ある有名なタレントさんの話に、結婚披露宴の際のご祝儀を開けて、あまりの額の少なさにびっくりしたことがある、というエピソードがあります。ふだんは大いに威張っていて、豪勢な私生活を送っているように見えるかたが、「これだけ? こっちのことバカにしてるの?」と腹立たしくなるような、わずかなご祝儀を包んでこられたとか(^_^)
 結婚披露宴の場合、たとえば会場がホテルだとすると、料理代だけで3万円ほどはかかります。それなのに、ご祝儀が1万円というかた、実際にいらっしゃるんです。これは、どう考えても失礼ですよね? とてもお世話になっているかたには5万円、もしくはそれ以上を包むとしても、人間関係によっては包みすぎると相手に却って気を遣わせるから注意が必要です。ご祝儀の相場って、本当に難しい。
 ここで大切なのは、相手のかたに対する「思い」。これに尽きるのではないでしょうか。「思い」さえあれば、どれだけの額をお包みすると喜んでもらえるのか、経験を重ねるごとに少しずつわかっていきますから。ご祝儀やプレゼント、お持たせは「形」ではありません。その人の「センス」が問われる「思い」「真心」だと私は考えています。
 我が家ではパーティを催すとき、親しいかたをおもてなししたいという気持ちありきでスタートするので、会費制は考えられません。そして、手土産は持ってきていただいてもいいし、なくても構わないというスタンスを取っています。ただ、こういう形式に慣れていないかたは戸惑われることもあるので、ケースバイケースで会費をいただく場合も。
 さらに、お気持ちはありがたいのだけれど、お持たせとしては「ご遠慮願います」と事前にお伝えしているものがあります。それは、お花。自宅でパーティを開く際、お部屋の雰囲気やテーブルコーディネートなどはすべてその日のために、その日のゲストのかたがたに会わせて、ご用意したい。万が一、その空間に合わないお花を持ってこられると置き場所に困ってしまうからです。
 カゴに活けられているアレンジメントならまだしも、ブーケや花束を渡されると、花器に飾る時間がなくて、持ってきてくれたかたにも申し訳ない思いをさせてしまいます。
 会費もお花もご遠慮しますというパーティに、何を持っていくか。こういうときこそ、センスの見せどころですよね。10年ほど前、我が家で催した私の誕生日会に、とってもかわいいアロマキャンドルのセットを綺麗にラッピングして持ってきて下さったかたがいました。当時は、今ほどアロマセラピー関係の品物が出回っていなかったので、私が喜びそうなものを一所懸命探して下さったんだなぁと感激。しかも、こちらの負担にならないぐらいの額で揃えてきて下さったあたりにも、そのかたのセンスを感じました。
 反対に、同じパーティで、こちらが困ってしまうようなプレゼントを持ってこられたかたもいて、唖然としたのですけどね……。
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